wit00のブログ

時事、グルメ、歴史などの日替わり雑感

路頭のバナナ

道端で偶然にも、一本のバナナを見つけました。見るからに古びていて、何日も雨に打たれている様子が窺えました。この落ちぶれたバナナを、誰も気にも留めずに通り過ぎていきます。雨が降るたびに水しぶきを浴び、次第に黒ずんでいく果肉は、どこか無念さを感じさせました。この果物が一度は誰かの手によって大切に扱われ、味わわれたかもしれないことが想像されました。しかし、今は捨てられ、無惨にも風雨に曝される運命に見舞われているのです。

この状況は、人生の喜びと悲しみを象徴しているようにも思えました。この雨に打たれたバナナは、そのような感情の鏡として私の前に姿を現わしました。果物としての価値が薄れ、存在意義を見失いつつあるバナナに、なぜか親しみが湧いてきました。

しかし、その一方でバナナからは、頑張って生きようとする強さも感じられました。どんな悪天候にさらされても、腐敗することなく地面に横たわっている肢体には、生命の持つ不屈の力が宿っているのかもしれません。

明日はスーパーでバナナを買っていただこう。でも今日はいちごが食べたい。